衣類の内側についているタグに並ぶ、桶や三角、四角などの記号。これが「洗濯表示(取扱い表示)」だ。2016年に大きく変わり、記号だけの国際基準になったことで「意味がわからない」と感じる人も増えた。しかし読み方を覚えれば、大切な衣類を傷めずに洗える。本記事では、洗濯表示の基本記号や主なマークの意味を一覧で整理し、洗濯・漂白・乾燥・アイロン・クリーニングそれぞれの見方や読むポイントまでをわかりやすく解説する。
2016年に洗濯表示が変わった
現在の洗濯表示は、2016年12月に大きく改定されたものだ。まず何が変わったのかを押さえておこう。
- 約50年ぶりの改定:2016年12月に、洗濯表示が約50年ぶりに変更された。それまでの22種類から41種類へと増え、より細かく表せるようになった。
- 国際規格に統一:日本独自の絵や日本語の表示がなくなり、国際規格(ISO)に合わせた記号だけの表示になった。海外の衣類とも共通で分かる。
- 「上限」を示す表示に:新しい表示は「こう洗うとよい」ではなく、「その衣類が耐えられる処理の上限」を示している点が大きな特徴だ。
洗濯表示の5つの基本記号
数多くある洗濯表示も、5つの基本の形を覚えれば理解しやすい。まずこの5種類を押さえよう。
- 桶(洗濯):家庭での洗濯方法を表す。水温や洗い方の強さがわかる。
- 三角(漂白):漂白剤が使えるかどうかを表す。
- 四角(乾燥):タンブル乾燥や自然乾燥の方法を表す。
- アイロンの形(アイロン):アイロンがけの可否と温度を表す。
- 円(クリーニング):ドライクリーニングやウェットクリーニングの可否を表す。
主な洗濯表示一覧|記号と意味の早見表
代表的な洗濯表示を、記号と意味で一覧にまとめた。タグを見るときの参考にしてほしい。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 桶+数字 | 数字の水温を上限に洗濯機で洗える |
| 桶+手 | 手洗いができる |
| 桶にバツ | 家庭での洗濯ができない |
| 三角 | 塩素系・酸素系の漂白剤が使える |
| 三角にバツ | 漂白ができない |
| 四角に丸 | タンブル乾燥ができる |
| 四角に縦線 | つり干しがよい |
| アイロン+点 | 点の数で上限温度を示す |
| 丸にP・F | ドライクリーニングができる |
洗濯(桶マーク)
桶の形をした記号は、家庭での洗濯方法を表す。数字や線に注目すると読み取れる。
- 中の数字は水温の上限:桶の中の数字は、洗濯に使える水の温度の上限を示す。40なら40度までで洗えるという意味だ。
- 下の線は洗う強さ:桶の下の線は洗い方の強さを表し、線がなければ通常、1本なら弱く、2本ならさらに弱く洗う必要がある。
- 手のマークは手洗い:桶に手が描かれていれば手洗いのみ。桶にバツがついていれば、家庭での洗濯はできない。
漂白(三角マーク)
三角の記号は、漂白剤が使えるかどうかを表す。線やバツで見分ける。
- 三角のみ:塩素系・酸素系のどちらの漂白剤も使える。
- 三角に斜線2本:酸素系漂白剤のみ使える。色柄物に使うときの目安になる。
- 三角にバツ:漂白剤は使えない。誤って使うと生地を傷めるので注意したい。
乾燥(四角マーク)
四角の記号は、乾燥の方法を表す。タンブル乾燥と自然乾燥の2種類がある。
- 四角に丸(タンブル乾燥):ドラム式などで回転させながら乾かせる。中の点の数で温度の上限がわかり、バツなら乾燥機は使えない。
- 四角に縦線(つり干し):ハンガーなどにかけて干すつり干しがよいことを示す。横線なら平干しだ。
- 斜線は陰干し:左上に斜線が入っていれば、日陰で干す「陰干し」が適していることを表す。
アイロン
アイロンの形をした記号は、アイロンがけの可否と温度を表す。点の数がポイントだ。
- 点3つ=高温:約200度までの高温でアイロンがけができる。綿や麻などに用いられる。
- 点2つ=中温、点1つ=低温:点2つは約150度まで、点1つは約110度までが目安。低温の場合はスチームに注意が必要なこともある。
- バツはアイロン禁止:アイロンにバツがついていれば、アイロンがけはできない。
クリーニング(円マーク)
円の記号は、専門店でのクリーニングに関する表示だ。中の文字で種類がわかる。
- 丸にP・F(ドライクリーニング):円の中のPやFは、ドライクリーニングで使える溶剤の種類を示す。クリーニング店への目安になる。
- 丸にW(ウェットクリーニング):Wは、専門的な水洗いであるウェットクリーニングができることを表す。
- 丸にバツ:クリーニングができないことを示す。取り扱いに特に注意が必要な衣類だ。
付加記号の意味
基本の5記号には、線や点などの「付加記号」が組み合わさる。これを知ると表示が細かく読み取れる。
- 下線は「弱く」:記号の下の横線は、処理を弱くする必要があることを示す。線が1本より2本のほうが、よりデリケートな扱いが求められる。
- 点は「温度」:アイロンや乾燥の記号の中の点は、温度の高さを表す。点が多いほど高温に耐えられる。
- 数字は「上限」:桶の中の数字は、耐えられる水温の上限。数字が小さいほど、低い温度で洗う必要がある。
- バツは「禁止」:どの記号でも、バツ印はその処理ができないことを示す。共通のルールとして覚えておくと分かりやすい。
旧表示との違い
2016年の改定で、洗濯表示は大きく様変わりした。旧表示との違いを知ると、戸惑いも減る。
- 日本語がなくなった:旧表示にあった「弱」「手洗イ」などの日本語がなくなり、記号だけになった。最初は分かりにくいが、慣れれば世界共通で読める。
- 種類が増えた:22種類から41種類に増え、より細かな指示ができるようになった。衣類に合った手入れがしやすくなっている。
- 考え方が変わった:旧表示が「推奨する洗い方」だったのに対し、新表示は「耐えられる上限」を示す。この違いを理解しておくと読み間違えにくい。
洗濯表示を読むポイント
洗濯表示を正しく読めば、衣類を長持ちさせられる。押さえておきたいポイントを紹介する。
- まず洗える衣類か確認:桶にバツがあれば家庭で洗えない。洗濯前に、まずこの点をチェックするのが基本だ。
- バツ印は「してはいけない」:どの記号もバツがついていれば禁止の意味。うっかり処理して衣類を傷めないよう注意する。
- 迷ったら弱い処理で:表示は耐えられる上限を示すため、心配なときは表示より弱め・低めの処理を選ぶと安心だ。
- おしゃれ着は表示を必ず確認:デリケートな素材やお気に入りの衣類ほど、洗う前に必ず表示を確認したい。適した洗剤やコースを選ぶことで、風合いを長く保てる。
まとめ
洗濯表示は2016年に国際規格に合わせて改定され、桶・三角・四角・アイロン・円という5つの基本記号を中心に41種類で構成されている。数字は上限温度、線は強さ、バツは禁止を表すなど、ルールを覚えれば直感的に読み取れる。新しい表示は「衣類が耐えられる処理の上限」を示すため、迷ったら弱めの処理を選ぶのが安心だ。本記事の一覧を参考に、洗濯表示を正しく読み取って、大切な衣類を、より長く、きれいに愛用してほしい。