雲の種類一覧|10種類の雲の名前・特徴・天気との関係を解説

空に浮かぶ雲には10種類の「基本雲形」があり、それぞれ形・高度・天気との関係が異なる。世界気象機関(WMO)が定める分類をもとに、雲の名前・特徴・天気への影響を一覧にまとめた。




雲の10種類(十種雲形)一覧

  • 巻雲(けんうん)別名:すじ雲 高度5,000〜13,000m。白く細い筋状で氷晶でできている。翌日に天気が変わるサインとされ、低気圧・前線の接近を示すことが多い。天気が崩れる12〜24時間前に現れることが多い。
  • 巻積雲(けんせきうん)別名:うろこ雲・いわし雲 高度5,000〜13,000m。小さな白い雲粒が並んだ魚のうろこ状。天気は比較的安定しているが2〜3日で崩れることもある。秋の空に多く現れる。
  • 巻層雲(けんそううん)別名:うす雲 高度5,000〜13,000m。空全体を覆う薄いベール状。太陽・月の周りに光の輪(ハロ)が出る。天気悪化の前兆で、数時間〜1日後に雨になることが多い。
  • 高積雲(こうせきうん)別名:ひつじ雲 高度2,000〜7,000m。白〜灰色の雲の塊が並ぶ。安定した天気だが夕方に出ると翌日は雨になることもある。秋のすがすがしい青空によく見られる。
  • 高層雲(こうそううん)別名:おぼろ雲 高度2,000〜7,000m。灰色・青みがかった層状の雲。太陽がぼんやり透けて見える。数時間後に雨・雪になりやすく、前線通過の前後に現れる。
  • 乱層雲(らんそううん)別名:雨雲・あまぐも 高度0〜4,000m。暗灰色で空全体を覆う。輪郭がはっきりしない。まとまった雨・雪をもたらし、長雨・梅雨のときに多い。この雲が空を覆うと長時間にわたって雨が降り続くことが多い。
  • 層積雲(そうせきうん)別名:うね雲・くもり雲 高度0〜2,000m。灰〜白色で大きな塊が広がる。最も空に現れる頻度が高い雲の種類。曇り空が続くが雨になりにくく、日本では冬の日本海側に多く現れる。
  • 層雲(そううん)別名:きり雲 高度0〜2,000m。灰色の霧のような薄い層状。山の斜面や街中に垂れ込める。霧雨・小雨になることがあり、視界不良の原因になる。地表近くに発生するため「地上の雲」とも言える。
  • 積雲(せきうん)別名:わた雲 高度0〜2,000m(頂部はそれ以上)。白くもこもこした綿のような形。晴れた日の午後に発生しやすい。晴れの象徴だが発達すると積乱雲になることがある。夏の入道雲の前段階として観察できる。
  • 積乱雲(せきらんうん)別名:入道雲・かみなり雲 高度0〜12,000m以上。垂直方向に巨大発達し、頂部は「かなとこ雲」形状になる。雷・豪雨・突風・竜巻・ひょうをもたらす夏の夕立の原因。最も激しい気象現象をもたらす雲で、接近時は屋内避難が必要だ。

高度による雲の分類

  • 上層雲(高度5,000〜13,000m):巻雲・巻積雲・巻層雲の3種。主に氷晶でできており、薄く白い外観が特徴。前線・低気圧の接近を知らせる「天気予報役」とも言える。
  • 中層雲(高度2,000〜7,000m):高積雲・高層雲の2種。水滴や氷晶の混合でできており、灰色がかった見た目。天気悪化の中間段階に現れることが多い。
  • 下層雲(高度0〜2,000m):乱層雲・層積雲・層雲の3種。比較的低い場所に発生し、雨・霧と関係が深い。
  • 垂直雲(高度0〜12,000m以上):積雲・積乱雲の2種。下層から上層まで垂直方向に大きく発達する。強い上昇気流によって形成される。

天気予報に役立つ雲の見方

  • すじ雲→うす雲→おぼろ雲→雨雲の変化:巻雲→巻層雲→高層雲→乱層雲の順に変化していくと、低気圧・前線が接近しており数時間〜1日以内に雨になりやすい。天気の読み方として昔から伝えられてきたパターン。
  • 太陽の周りに虹色の輪(ハロ)が出る:巻層雲の氷晶が光を屈折させる現象。天気悪化のサインとして昔から知られている。
  • 積乱雲が西から近づく:落雷・突風の可能性があるため、屋外活動は中断するのが安全だ。積乱雲は発達が速く、数十分で猛烈な雨をもたらすことがある。
  • うろこ雲(巻積雲)が広がる:2〜3日は安定するが、長く続かない場合は天気変化の前触れになることも。「うろこ雲が出たら3日で雨」という言い伝えがある地域もある。
  • 入道雲(積乱雲)が夕方に遠くに見える:翌日の猛暑や雷雨の予兆になることがある。特に夏場は積乱雲が急発達するため、山や海での行動計画に注意が必要だ。

特殊な雲形

  • レンズ雲(笠雲):山頂や上空にレンズ状に浮かぶ雲。強風と山の地形が組み合わさるときに発生する。「富士山に笠雲がかかると雨」と言われるように、天気悪化の前兆になることが多い。
  • 飛行機雲:航空機のジェットエンジンの排気が大気中で冷やされ、氷晶が凝結してできる雲。「飛行機雲が長く残ると雨」という言い伝えは大気中の湿度と関係しており、一定の気象学的根拠がある。
  • かなとこ雲:積乱雲の頂部が鍛冶屋の金床(かなとこ)のように水平に広がった形状。成熟した積乱雲で見られ、激しい雷雨が近いサインだ。
  • 夜光雲:高度80km付近の中間圏に発生する非常に珍しい雲。日没後や夜明け前の薄明時に青白く輝いて見える。北極・南極に近い地域でのみ観察できる珍しい現象だ。

よくある疑問(FAQ)

雲はなぜ落ちてこないの?

雲を構成する水滴・氷晶は非常に小さく(直径0.001〜0.1mm)、自重が小さいため上昇気流によって支えられている。重力で落下するスピードよりも上昇気流が強いため浮いていられる。雨粒は水滴が合体して重くなり、上昇気流で支えられなくなったときに落ちてくる仕組みだ。

夏に積乱雲が多いのはなぜ?

夏は地表が強く温められ、暖かく湿った空気が急速に上昇する(対流)。この強い上昇気流によって積雲が発達・成長し積乱雲になる。積乱雲は夕方に発生しやすく、「夕立」として短時間に強い雨・雷をもたらす。近年は都市のヒートアイランド現象で午後の局地的大雨が増加している。

天気図なしで雲だけで天気を読む方法は?

もっとも実用的なのは「雲の変化の順番を見る」方法だ。すじ雲(巻雲)が現れ始め、それがうす雲(巻層雲)に変わり、空全体が白っぽく曇ってきたら6〜12時間以内に雨の可能性が高い。また「朝焼けは雨、夕焼けは晴れ」という言い伝えも、西から天気が変わる日本の気候パターンにおいてある程度の根拠がある。

雲の写真を撮るときのコツは?

積乱雲や夕焼け雲を撮影するには、RAW形式で撮影して後からコントラスト・彩度を調整するのが効果的だ。スマートフォンのカメラでも「HDRモード」を使うと空の明暗が自然に仕上がる。積乱雲は発達が速く数十分で形が変わるため、見つけたらすぐ撮影するのがコツ。ただし積乱雲に近づく場合は落雷の危険があるため、必ず安全な建物の中から撮影することを忘れないようにしてほしい。

まとめ

雲の10種類を覚えると、空を見て天気の変化が予測できるようになる。特に「すじ雲→うす雲→雨」の変化パターンは日常で使える天気の読み方だ。積乱雲の接近時は落雷・突風に注意し、早めに屋内に避難してほしい。雲の観察は天気予報の精度向上だけでなく、空を見る楽しみとしても充実した趣味になる。

タイトルとURLをコピーしました