ひとくちにチーズといっても、その種類は世界に1,000種類以上あるといわれる。大きくは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」に分かれ、ナチュラルチーズはさらに製法や熟成のさせ方によって7つのタイプに分類される。本記事では、チーズの種類を早見表で整理し、フレッシュ・白カビ・青カビといった各タイプの特徴や、カマンベール・モッツァレラ・ゴルゴンゾーラなど代表的な銘柄の原産国・味わいを一覧で比較する。チーズ選びの参考にしてほしい。
チーズは大きく2種類|ナチュラルチーズとプロセスチーズ
チーズはまず、製法の違いによって「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2つに大別される。この違いを押さえておくと、種類の全体像がつかみやすい。
- ナチュラルチーズ:生乳を乳酸菌や酵素で固めて作ったチーズ。中の菌や酵素が生きており、熟成が進むにつれて風味が変化していく。世界の多彩なチーズはこちらに含まれる。
- プロセスチーズ:ナチュラルチーズを加熱して溶かし、再び成形したチーズ。加熱で菌の働きが止まるため風味が安定し、保存性が高く味も均一。日本で広く親しまれるスライスチーズや6Pチーズが代表例だ。
ナチュラルチーズ7タイプ一覧|特徴の早見表
ナチュラルチーズは、製法や熟成方法によって主に7つのタイプに分類される。それぞれの特徴と代表的なチーズを早見表にまとめた。
| タイプ | 特徴 | 代表的なチーズ | 主な原産国 |
|---|---|---|---|
| フレッシュ | 熟成させずすぐ食べる。水分が多く軟らかく、さっぱりした味 | モッツァレラ・リコッタ・カッテージ | イタリアなど |
| 白カビ | 表面の白カビで熟成。外側から軟らかくなり濃厚な風味に | カマンベール・ブリー | フランス |
| 青カビ | 内部の青カビで熟成。塩気が強く刺激的な風味(ブルーチーズ) | ゴルゴンゾーラ・ロックフォール | イタリア・フランス |
| ウォッシュ | 表面を塩水や酒で洗って熟成。香りは強いが中身はまろやか | エポワス・マンステール | フランス |
| シェーブル | 山羊の乳から作る。独特の酸味とコクがある | ヴァランセ・サントモール | フランス |
| セミハード | 水分を減らしやや硬め。クセが少なく食べやすい | ゴーダ・ラクレット | オランダ・スイス |
| ハード | 水分が少なく硬い。長期熟成で旨味が凝縮される | パルミジャーノ・レッジャーノ・エメンタール | イタリア・スイス |
代表的なチーズ一覧|タイプ・原産国・味わいを比較
スーパーや専門店でよく見かける代表的なチーズを、タイプ・原産国・味わいとともに一覧で整理した。選ぶ際の目安にしてほしい。
| チーズ名 | タイプ | 原産国 | 味わいの特徴 |
|---|---|---|---|
| モッツァレラ | フレッシュ | イタリア | クセがなくミルキー。加熱するとよく伸びる |
| リコッタ | フレッシュ | イタリア | ほんのり甘くふんわり軽い。お菓子にも合う |
| クリームチーズ | フレッシュ | アメリカなど | なめらかで濃厚。ほどよい酸味でお菓子向き |
| カマンベール | 白カビ | フランス | とろりとして濃厚。白カビのまろやかな風味 |
| ブリー | 白カビ | フランス | カマンベールより穏やかで上品な味わい |
| ゴルゴンゾーラ | 青カビ | イタリア | 塩気とコク。甘口(ドルチェ)と辛口(ピカンテ)がある |
| ロックフォール | 青カビ | フランス | 羊乳製で塩気が強く刺激的。三大ブルーの一つ |
| エポワス | ウォッシュ | フランス | 香りは強烈だが中身は濃厚でクリーミー |
| ゴーダ | セミハード | オランダ | クセが少なくまろやか。日本人にも親しみやすい |
| チェダー | ハード | イギリス | コクと酸味。加工品にも広く使われる定番 |
| エメンタール | ハード | スイス | 大きな気孔(穴)が特徴。ナッツのような甘み |
| パルミジャーノ・レッジャーノ | ハード | イタリア | 長期熟成で旨味が凝縮。すりおろして料理に |
タイプ別の特徴と選び方
7つのタイプは、それぞれ味わいや使い方に個性がある。好みや用途に合わせて選ぶポイントを紹介する。
- フレッシュタイプ:熟成させないため、クセがなくさっぱり。チーズ初心者やサラダ・お菓子に向く。モッツァレラはピザやカプレーゼの定番だ。
- 白カビタイプ:とろける食感と濃厚な風味。そのまま食べても、温めても美味しい。カマンベールは日本でも人気が高い。
- 青カビタイプ:強い塩気と刺激が特徴で、好みが分かれる。はちみつと合わせたり、ソースに使うと食べやすい。
- ウォッシュタイプ:香りは強いが味はまろやか。香りに驚くが、慣れると濃厚なコクがやみつきになる。
- シェーブルタイプ:山羊乳ならではの酸味とコク。白ワインとの相性がよいとされる。
- セミハードタイプ:クセが少なく万人向け。そのまま食べても料理に使っても扱いやすい。
- ハードタイプ:旨味が濃く、すりおろしや薄切りで少量でも存在感がある。料理のアクセントに最適だ。
世界三大ブルーチーズ
青カビタイプの中でも特に有名なのが、世界三大ブルーチーズと呼ばれる3種だ。それぞれ個性が際立っている。
- ロックフォール(フランス):羊乳から作られ、塩気が強くパンチのある味わい。フランスを代表するブルーチーズ。
- ゴルゴンゾーラ(イタリア):比較的マイルドで、甘口のドルチェは初心者にも食べやすい。パスタソースにも人気。
- スティルトン(イギリス):ナッツのような香ばしさとコク。イギリスではポートワインと合わせて楽しまれる。
チーズの栄養と選ぶときの注意点
チーズは少量でも栄養価が高い発酵食品だ。特徴を知っておくと、健康面を意識した選び方ができる。
- たんぱく質が豊富:チーズは牛乳の栄養を凝縮した食品で、体をつくるたんぱく質を効率よくとれる。特にハードタイプは水分が少ない分、栄養が凝縮されている。
- カルシウム補給に向く:乳製品ならではのカルシウムを含み、骨や歯の健康を気づかう人の栄養補給にも役立つ。少量でしっかりとれるのが利点だ。
- 発酵による食べやすさ:ナチュラルチーズは発酵・熟成の過程で成分が分解され、消化しやすい状態になっている。牛乳が苦手な人でも取り入れやすい場合がある。
- 塩分・脂質はとりすぎに注意:チーズは塩分や脂質も比較的多い。特に青カビタイプやハードタイプは塩気が強めなので、量を調整しながら楽しむとよい。
チーズの保存と楽しみ方のポイント
せっかくのチーズも、保存や食べ方を工夫するとより美味しく楽しめる。基本のポイントを押さえておこう。
- 乾燥を防いで保存:ナチュラルチーズは生きているため乾燥に弱い。ラップで包み、冷蔵庫の野菜室など温度変化の少ない場所で保存するとよい。
- 食べる少し前に常温へ:冷えたままより、食べる30分ほど前に室温に戻すと香りと風味が立つ。特に白カビやハードタイプで違いが分かる。
- ワインと合わせる:チーズと同じ産地のワインは相性がよいとされる。青カビには甘口、白カビには軽めの赤など、組み合わせを楽しめる。
- 使い分けを楽しむ:そのまま味わうもの、加熱してとろけさせるもの、すりおろすものと、タイプごとに得意な食べ方がある。用途で選ぶと失敗が少ない。
まとめ
チーズは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」に大別され、ナチュラルチーズはフレッシュ・白カビ・青カビ・ウォッシュ・シェーブル・セミハード・ハードの7タイプに分類される。それぞれ味わいや使い方に個性があり、代表的な銘柄の原産国や特徴を知っておくと、選ぶ楽しみが広がる。まずはモッツァレラやカマンベール、ゴーダといった親しみやすいものから試し、少しずつ好みのタイプを見つけていくとよいだろう。本記事の早見表を、日々のチーズ選びに役立ててほしい。