寿司や天ぷら、エビフライにお祝いの伊勢海老まで、日本の食卓に欠かせないエビ。世界には3000種以上のエビがいるといわれ、食用となるものだけでも、高級なクルマエビから手ごろなバナメイエビ、甘みの強い甘エビまで実に多彩だ。本記事では、代表的な食用エビを一覧表で整理し、それぞれの特徴や向く料理、栄養、選び方や下処理のコツまでをわかりやすく解説する。エビ選びや料理がもっと楽しくなる基礎知識をまとめた。
エビは世界に3000種以上
エビはカニやヤドカリと同じ十脚目(エビ目)の仲間で、世界中に数多くの種類がいる。まず全体像を押さえておこう。
- 世界に3000種以上:エビの仲間は世界に3000種以上いるとされ、そのうち食用になるものも多い。日本でもさまざまなエビが親しまれている。
- 「海老」と「蝦」:伊勢海老のように海底を歩く大型のものを「海老」、桜えびのように海中を泳ぐ小型のものを「蝦」と書き分けることもある。ただし厳密な区別ではない。
- 縁起のよい食材:腰が曲がった姿から長寿を連想させ、エビは古くから縁起物として祝いの席にも使われてきた。
主な食用エビ一覧|特徴と料理の早見表
代表的な食用エビを、大きさ・特徴・向く料理とともに一覧にまとめた。買い物や献立の参考にしてほしい。
| エビ | 大きさ | 特徴 | 向く料理 |
|---|---|---|---|
| クルマエビ | 中〜大 | 黒い縞。甘みとうま味が強い高級エビ | 寿司・天ぷら・塩焼き |
| 伊勢海老 | 大 | エビの王様。祝いの食材 | 刺身・具足煮 |
| ブラックタイガー | 大 | 養殖の大型。プリッとした食感 | エビフライ・焼きエビ |
| バナメイエビ | 中 | 最も流通。やわらかく甘い | 炒め物・エビチリ |
| 甘エビ | 小〜中 | 赤く水分が多い。強い甘み | 刺身・寿司 |
| ボタンエビ | 中〜大 | オレンジ色。甘みが強い | 刺身・寿司 |
| 桜エビ | 小(約4cm) | ピンク色の小型。駿河湾が名産 | かき揚げ・釜揚げ |
| 芝エビ | 小 | 上品な味の小型エビ | かき揚げ・チリソース |
高級エビ
味わいも見た目も格別な高級エビは、特別な日の食卓を彩る。代表的な2種を紹介する。
- クルマエビ:黒い縞模様と、丸まった姿が車輪のように見えることが名の由来とされる。プリッとした食感と強い甘み・うま味をもち、寿司や天ぷら、塩焼きに欠かせない高級エビだ。
- 伊勢海老:立派な姿と豪華さから「エビの王様」と呼ばれる。刺身では甘みと弾力を、具足煮や汁物では濃厚なうま味を楽しめる。祝いの席の定番だ。
養殖の大型エビ
スーパーや飲食店で身近な養殖エビ。手ごろな価格で、加熱料理に幅広く使える。
- ブラックタイガー(ウシエビ):東南アジアなどで養殖される大型のエビ。加熱するとプリッとした食感になり、エビフライや焼きエビ、天ぷらに向く。
- バナメイエビ:日本で最も多く流通しているエビ。身はやわらかく甘みが強く、価格も手ごろ。炒め物やエビチリなど加熱料理に幅広く使える。
甘みが魅力の刺身向きエビ
とろけるような甘さが持ち味のエビは、生で食べるのが一番。寿司や刺身で人気だ。
- 甘エビ(ホッコクアカエビ):体長10〜13cmほどで、赤い殻がやわらかく身は水分が多い。名前のとおり強い甘みが特徴で、刺身や寿司で味わうのが定番だ。
- ボタンエビ:鮮やかなオレンジ色をした大ぶりのエビ。水分が多くとろけるような甘みがあり、刺身にすると絶品。フライや焼き物にも合う。
小型のエビ
小さくても存在感のあるエビたち。丸ごと食べられ、香ばしさやうま味が楽しめる。
- 桜エビ:体長約4cmの小型のエビで、桜のようなピンク色が美しい。静岡の駿河湾が名産地で、かき揚げや釜揚げ、干しエビとして親しまれる。
- 芝エビ:上品な味わいの小型エビ。かき揚げやエビチリ、すり身などに使われ、料理に繊細なうま味を添える。
- 干しエビ:小型のエビを干したもので、うま味が凝縮している。だしや炒め物、中華料理の風味づけに重宝する。
エビの栄養
エビは低脂質で高たんぱくな、うれしい栄養をもつ食材だ。代表的な栄養素を紹介する。
- 高たんぱく・低脂質:エビは脂質が少なくたんぱく質が豊富。体づくりを意識する人にうれしい食材だ。
- タウリン:エビにはアミノ酸の一種であるタウリンが含まれ、疲労回復や肝機能の維持を助けるとされる。
- アスタキサンチン:エビの赤い色のもとになる成分で、抗酸化作用が注目されている。加熱すると赤色が鮮やかになる。
おいしいエビの選び方
新鮮でおいしいエビを選ぶには、いくつかのポイントがある。買うときに確認しておこう。
- 殻に張りとつやがある:殻がしっかりして透明感やつやのあるものは新鮮。黒く変色したものは鮮度が落ちている。
- 身がしまっている:身がぷりっとしまり、頭と胴がしっかりつながっているものを選ぶとよい。
- においを確認:生臭さや薬品のようなにおいが強いものは避ける。新鮮なものは磯の香りがする。
エビの下処理のコツ
ひと手間かけて下処理をすると、エビ料理がぐっとおいしくなる。基本のコツを押さえよう。
- 背わたを取る:背中の黒い筋(背わた)は、竹串などで取り除く。残すと食感や見た目、風味を損ねてしまう。
- 臭みを取る:片栗粉と塩をもみ込んで洗うと、汚れや臭みが取れて身がぷりっと仕上がる。
- 加熱しすぎない:エビは火を通しすぎると身が縮んで硬くなる。色が変わったら手早く仕上げるのがコツだ。
伊勢海老とロブスターの違い
豪華なエビの代表格である伊勢海老とロブスター(オマール海老)は、似ているようで異なる。違いを知っておくと選ぶときに役立つ。
- 大きなハサミの有無:ロブスターには大きく発達したハサミがあるのが特徴。一方、伊勢海老にはそのような大きなハサミがなく、長い触角をもつ。
- 生息地と分類:伊勢海老は日本近海などにすむイセエビの仲間、ロブスターは主に大西洋などにすむアカザエビの仲間で、別のグループに属する。
- 味わいの違い:伊勢海老は上品な甘みと弾力、ロブスターはぷりっとした身とハサミの肉が楽しめる。どちらも高級食材として人気だ。
エビを使った定番料理
エビは和洋中を問わず、さまざまな料理で主役になる。種類の持ち味を生かした定番料理を紹介する。
- 天ぷら・フライ:クルマエビやブラックタイガーは、衣をつけて揚げると甘みと食感が際立つ。エビ料理の王道だ。
- 寿司・刺身:甘エビやボタンエビは生のままで甘みを堪能できる。ゆでたクルマエビの握りも定番だ。
- エビチリ・炒め物:手ごろなバナメイエビは、エビチリや八宝菜など中華の炒め物にぴったり。プリプリの食感が楽しめる。
- かき揚げ・だし:桜エビや芝エビ、干しエビは、かき揚げや炒め物、だしの風味づけに活躍する。
まとめ
エビは世界に3000種以上いるといわれ、食用だけでも高級なクルマエビや伊勢海老、身近なバナメイエビ、甘みの強い甘エビやボタンエビ、小型の桜エビまで多彩だ。生で味わうもの、加熱して楽しむものと、種類によって向く料理が異なるのも魅力である。高たんぱくで栄養も豊富なので、選び方や下処理を押さえて、おいしく味わいたい。本記事の一覧を参考に、料理に合ったエビを選んでみてほしい。